離婚後の生活(面会交流権)

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離婚後の生活(面会交流権)

離婚後は必ず夫・妻のどちらかが子供と離ればなれになります。
お子様にとっては被害者です。
離婚をしたからといって親子の縁は切れるものではなく、離れて暮らす親には子供と会う権利を持っています。

面会交流権とはどのようなものか?

面会交流権とは、離婚後、親権者または監護者とならなかった親が、子供と面会・交流する(会ったり、手紙をかわしたりする)権利の事をいいます。
法律上、規定する条文はありませんが、親として有する当然の権利として裁判上も認められています。
離婚後、親権者や監護者にならなかった親はもちろん、婚姻中でも別居中の親にも面会交流を求める権利は認められています。
※子供に会いたいのに会わせてもらえなければ、「子の監護に関する調停申立書」を家庭裁判所に出し、面会交流を求める事になります。

面会交流の決め方

面会交流は親であることの当然の権利として認められるものですから、まず、両親の協議で決めるものです。
協議できまらない場合は、家庭裁判所に調停を申し立てて話し合い、まとまらなければ審判で決定してもらうことになります。

面会交流が認められないこともある

以下の場合は、お子様との面会交流権は認められません。

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1.子や監護者に暴力をふるう
2.面会交流の場を利用して、子供を奪って行こうとする
3.著しい不行為がある
(性的不品行、過度の飲食、薬物・覚醒剤等)

面会交流の方法

面会交流の方法は、
・日程(毎週末、月に1回、2~3ヶ月に1回など)と会う時間
・場所
・方法
(数時間自宅で話す、食事に行く、どこかに遊びに行く、監護者が立ち会うかどうか)
などを大まかに決めておくのがよくある方法です。
また面会交流をする事だけ決め、日程など「別途協議による」という決め方も可能です。
いずれにしましても、お子様に過度の負担を与えず、かつ不満足感も覚えさせないように配慮する事が大切です。

面会交流の主な取り決め事項

取り決め

後々トラブルにならないように、面会交流において、以下のような事項を取り決めしておいた方が良いでしょう。

1.いつ?
・毎月の指定日
・子供の誕生日
・正月、クリスマスなど
・夏休みなど長期休暇 など
2.どこで?
・父母のどちらかの家
・公園やレストラン等の公共の場 など
3.どのように?
・面会場所までの送り迎え
・日帰りに限定する
・宿泊を認める
・電話やメールによるやりとりの制限
・写真を定期的に送る など

4.どのくらい?(頻度)
・月に○回
・年に○回
・昼、夜、1回○時間程度 など

面会交流を拒否したい、または拒否されたら?

面会交流は親の権利として認められるものですが、「子の福祉」つまり子供の心身の健全な成長を妨げないことが絶対条件です。
従いまして、面会交流を行う事がかえって子供の成長に悪影響を与える場合には、面会交流を認めないという審判や判決になる事もあります。
養育・監護する親の一方的希望のみで子供には会わせないといっても、調停や裁判で認められる可能性は低いと言えるでしょう 。

面会交流の内容を変更するには

面会交流の方法を決めて実行した結果、子供が面会交流の日が近づくと体調がおかしくなったり、会うのを嫌がるようになった場合にも、決めたとおりに面会交流させなければならないのでしょうか?
この場合には、子の福祉の観点から、まず相手方と話し合って、しばらく面会交流を延期して子供の様子を見るなど、一度決めた面会交流の内容を合意で変更することを交渉すべきです。
いずれにしましても、「子の福祉」を第一に、元夫・元妻の双方で取り決めましょう。

話し合いでまとまらないなら調停を申し立てる

相手方が、調停や裁判で決まった自分の権利だから決めた通りにするよう強要したり、子供が嫌がっているなんて嘘だと疑ったり、子供に二度と会えなくなるのではないかとの心配から、どうしても面会交流を強行するような場合があります。
さらに面会交流を理由に元妻である母親も呼び出し、母親に対して暴力を振るうような父親の場合には、とても話し合いにはなりません。
このような場合には、家庭裁判所に「調停事項の変更」または「子の監護に関する調停」を申し立てて、面会交流を決めた調停や裁判条項を取り消すべく話し合うことになります。
面会交流の取り決めを取り消す審判が確定すれば、面会交流は行わなくてよくなります。
面会交流の調停・審判の申し立て手順
・親同士の話し合いで解決できない
「家庭裁判所に申し立て」

「面会交流権」 面会交流の具体的な取り決め
・面会が子供に悪い影響を与える
「家庭裁判所に申し立て」

「調停事項の変更」 面会交流の権限、内容を一時停止、または取り消す

札幌圏内の面会交流調停の現状

北海道の離婚件数は人口1000人当たり2.13で都道府県別では4番目の高さです。(2012年)
また、離婚した夫婦の約60%に未成年の子がいるとされています。
2012年に行われた離婚調停などで親権者が決定した子は926人ですが、その内、母親が親権者となったのは857人と90%を超えています。
札幌管内では5年前から比べると2012年には面会交流の調停新規申立てが倍増しています。

養育費も払わないのに面会交流を求められたら

結論から言えば、養育費を払わなくても面会交流を求める権利はあります。
もちろん、道徳的にはまず親としての義務を果たしてから権利を主張すべきとは思いますが、法律的には「別の話」なのです。
相手方が、面会交流を求めて裁判を起こした場合には、他に特に子供と会う事が不適切な事情がない限り、養育費を払っていない事だけを理由に、面会交流が認められないということはないでしょう。

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